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2017年5月22日 (月)

自信のない音

引き続き今日もピアノの話。
「自分の出すすべての音を美しく」を目標にしてからは、弾く前に一瞬ためらうことがよくあるような気がします。
これから出す音はちゃんと思い通りの音色で鳴ってくれるだろうか?と。
つまり自信がないんですね。

こうすればこういう音が出る、というのがまだ不安定なんです。
こればっかりは練習量が足りないとしか言いようがない。
たくさん種類のある音色のうち、いくつかはだいたい精度90%で出せるようになり、経験値が上がったな!と思うのですが、ほとんどは「今の違う!なしね!」という結果に…。
まぐれで奇跡の1回みたいなことがあると逆にびっくりしてしまいます…だめじゃん。

傾向としては、小さな音の方がまだマシだな。そーっと慈しむような音色は、そーっと練習しているうちにつかめてきたから。
コワイのは大きな音です。昔の雑な私を思い出して、乱暴に叩き出すような音になってしまうのではないかとつい気持ちがちぢこまってしまう。
「堂々と」とか「どっしりと」とかいうキャラクターの音を出す練習が今後の大きな課題です。
輝かしいフォルテなんてどうやったらいいんだ…。

そういえば、ここで習い始めてから1年3ヶ月くらいが過ぎた頃に、先生が何気なくおっしゃったことが、これらの問題点を如実に語っているなあと思ったものでした。
それは、「レッスンの最初のほうは音色が硬くて、レッスンが進むにつれてほぐれてよい音色になってくる」ということです。
毎週毎週、レッスンのたびにそのルーティンを繰り返しているそうです。
自分ではまっっったく気づいていませんでした。
自宅のではないピアノに向かうと、無意識のうちに「慣れているタッチと違うから、ダメな音が出てしまうかもしれない」と不安になって緊張した弾き方になっているのだろうと思います。それもこれも「自信がない!」に尽きますな…。
で、弾いているうちに、そうだったこの楽器はこうだよねと自信を持って弾けるようになっていく、と。
自分の楽器を持ち歩けない鍵盤弾きはこの宿命と折り合いをつける練習(?)もしないと…。
そういえばグランドピアノなんて発表会でしか弾かないなあ。あのカタチだけで何割か緊張が増すわ。

2017年5月10日 (水)

なんとなく雑なわけ

ピアノ発表会で弾くうちの1曲は30数年前に「一応」弾いて遊んでいた曲です。
その当時、音は間違っていないのだがどうも美しく聞こえなくてモヤモヤしていました。
習うのをやめて数年たっていて指導を仰ぐこともできませんでしたし、よくわからないが要するに下手ってことなのね、としか言いようがなくそこで止まっていました。

そして今。音楽づくりはまず美しい音づくりから、という指導方針の先生について1年ちょい経ち、今こそこの曲の美しさを表現するときが来た!とばかりに引っ張り出してきたのですが、まず最初の一音がびっくりするくらい綺麗に響かせられるようになりました。
この先どうなるの?どんな音楽が続いていくの?とときめく音です。自分で言うか。
この調子ですべての音を…と思ったが、まあそううまくいくものでもなく。
速い曲ではないのになぜか落ち着かない感じになってしまう。
もっと、ゆったり・優雅・余裕、みたいな空気が欲しいのに。
テンポを極端にゆっくり弾いてみてもそんな印象が漂わないのはなぜなんだ。弾いている人が優雅とは程遠いキャラだから、で片付けられる問題ではないぞ。

ここで先生の的確な指導が物をいうわけですよね。
原因のうち一番大きなのは、次の音の準備をするのが早すぎることだと判明しました。
自分ではそんなことをしている自覚はなかったのですが、言われてみるとやっとるわ…。
複雑な和音が大好物なのでそういうのが多く出てくる曲を好むのが私の傾向ですが、複雑ゆえに寝ていても手が動くというわけにはいかず、和音から和音に移動する際には「次はどこ?ここだ!」と探して準備してしまうんですよ。
実際にはそんなに準備しなくても物理的にはいけるんですけど、何事も早め早めの準備が心の余裕を生むと思ってしまっていたらしい。
で、次の音の準備に意識が行ってしまっているので、たった今出している音には気持ちが残っていなくて、その音が放り出された感じ・おいてけぼりな感じになって「美しくない…」。なるほど。
加えて、聞いた感じが良くないだけでなく、見た目にもあせってつんのめりそうな感じがにじみ出ているそうです。「落ち着いて!」ってつい思ってしまうって。し、知らなかった…それはいかんな…。

無意識の癖なのですぐには直せませんが、癖だと自覚してからは意識が変わったので、発表会までには完璧ではないにしても何割かは改善していると思います。
うーん、雑に思えたのはタッチのせいかなと予想していたのですが、キープやリリースにも問題があったとは。

昔は、タッチの良し悪しというものがあることは理解できましたが、鍵盤が底についてからも鍵盤を離すときも、力の分散のさせ方で音色が違ってくるなんてかけらほども考えたことがありませんでした。
今になってそういったことを教わり、いろいろ試してみると本当に違うので驚きつつ奥深さに感動している日々です。

そうやってほんの少しずつ曲が綺麗になっていって、練習のし甲斐があるというものですが、そうなるとつくづくというか改めてというか、この曲の美しさ洒脱さに震え、以前にも増して愛が深まりました。
弾きながら、今のここの和音がたまらんのよ!とか、ここからここにかけての転調のすごさはどうよ!とか、強く思うのですが、聴いている人が同感ですと思ってくれるように演奏したいと思うようになってしまいましたよ。私がプロの演奏を聴いてその曲のその箇所にぐっときていたように。ままま、それは高望みですが、気持ちだけでも。

それと、先生がよくおっしゃるのは、「今のその音、とてもよく出ていてもっと聴きた~い!と思ったのに、次の音でがっくし…ってなっちゃう」。
そうなってしまっていたことに気づいていないので無頓着だったわけですが、原因はたぶんこれ→。とてもよい音色が出せた瞬間「よし!うまくいった!」と思ってその音はもう自分の中では終了してしまっていたのだ。本当は物理的にも情緒的にもまだ終わっていなくて、次の音に素敵な空気を手渡そうとしているのに。
余韻を自分でもよく聴いて味わって、それに合った音色で次の音を弾かなくちゃ。

自分の演奏の欠点はざっくりと「いろいろと雑」なことだと認識していたものの、何がどう雑なのかは考えてもわからなかったのが、指導を受けるとサクサク解決していきますねえ。
それにしても、「次の音を余裕を持って準備しよう」だなんて、雑とは正反対の考え方でしょう。なのにそのせいで結果的にその直前の音のリリースが雑になるという悪影響が生じていたとはね。
細かい問題点が多すぎて目から何枚ウロコが落ちればいいのか見当もつきませんけど、一つ一つていねいにつぶしていきますよー!
うんと易しい曲ではさすがにこの手の問題点は顔を出さないので、スパンを置いて課題をあぶり出すためにもちょうど合うレベルの曲(大好きな曲なら尚良し)を弾いてみると効果が上がるのですね。

2017年4月26日 (水)

古書店で

1~2ヶ月に1度、楽譜専門の古書店をのぞいています。
どなたかが蔵書を手放さないと棚の中身は増えませんので、これはと思う出物が見つかるかどうかはタイミング次第。

本は買ったときのままきれいに読みたい派ですが、楽譜の場合は、開き癖はバンバンつけますし、鉛筆による書き込みも躊躇しません。めくりやすいように頁の角を折るなんざ当たり前、不注意で曲げてしまってもまあ我慢できる。
そんなわけなので、少々汚れていても楽譜なら古本でも可。
著作権の関係で新刊本が高価な作曲家の楽譜、絶版等で手に入りにくい楽譜、自分は弾けないがじっくり見たい楽譜、あまり思い入れはないが一応持っておきたい楽譜(モツのピアノソナタ全曲とか)などを古書店で探します。

先月チェックした際に、気になるが即買いをためらった楽譜がありまして、ちょいちょい思い出してはやっぱり欲しいかもなあ…となって、自分の誕生日に行って残っていたら買おう!と決め、ついに手元にやってきました。

プロコフィエフのピアノソナタ第7番なんですけど、プロコの楽譜って本当は(?)1種類しかないんです。いろいろな出版社が版権を買って出しているけれど、中身はまったく同じ。
ロシア近代の作曲家の楽譜にはこういうケースが多いですね。
他の作曲家の場合は、元の曲は同じでも出版社ごとに版を作っているので、1段の小節数が違ったり(ゆったり書くと見易いが、ページをめくる回数が増える)、音符の書体やらが違ったりします。内容に研究者の手も入っていて、どれを選ぼうか迷っちゃいます。
でもプロコなどの場合は、どの出版社の楽譜も、元の出版社のものをコピーしているのでまったくおんなじなの。
なので、1冊持っていればいいわけです。
今日買った曲は、日本の出版社からピアノソナタ3曲まとめてお手頃価格で出ているのを持っているので、最初に見つけたときにどうしようか迷ったんですよ。中身いっしょだもん。
しかし迷うのは魅力もあるからで、それはデザイン。ソ連時代の香り漂う、民俗的でチープでかわいらしいイラスト。1曲だけなので厚みがなく譜面台の上でも開き易い。
前の持ち主が使いこんだようで、謎の書き込みがたくさんしてあって、その分値段が安い。謎すぎてその意味を解読するのもおもしろそう…。日本人が書いたのかな?そこからして謎。
とても難しい曲で私などには来世でも弾けないだろうと思うのですが、第3楽章だけは現世で弾いてみたい気持ちがあったので、このかわいい表紙の楽譜でやる気アップ!なんてね。

それから、プロコのピアノソナタは1曲で1冊になっている楽譜を全曲とも集めようと思っていまして(5曲ずつ厚い本になっているのは新刊書店でも買えますがそれは欲しくない)、4番以降は割とすぐに揃いました。
が、1番から3番までの3冊がなかなか出ない。初期作品は傑作とまでは言えないせいか元々あまり市場に出ていないようで。
が、デザインがかわいらしい7番を買いにいったら3番がついに見つかりましてね!どこのどなたか存じませんがありがたや~。
3番は1楽章だけしかなくて短い上に、プロコらしさ全開しているので楽譜をのぞいてみたかったの。どうなってるのかな、と。嬉しいなあ。しかも500円。新刊で買うと3,000円以上します。弾けない(えらく難しいの!)のにそれ買うかって値段でしょ。

ついでに室内楽の古本コーナーも見てみると、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲(1番&2番で1冊)の楽譜が300円で出ていました。
安すぎる理由は、ヴァイオリンとチェロのパート譜がないからです。私にはパート譜は必要ないので、それがないおかげで激安なのはラッキー。
この2曲のピアノはとても難しいらしくて、私がレッスンに持って行くことはないと思うけれど、ヴァイオリンの人たちが(プロもアマも)メンデルスゾーンメンデルスゾーン言っているので一応楽譜は読んでおこうと頭のすみにとどめていた曲です。
この本もがっつり使った跡があり、そこそこ厚いのにどのページもしっかり開く。日本人による役立ちそうな書き込みもたくさんあるので、勉強にちょうどいいと思います。
普通に買ったら1万円弱もするのが、なんたって300円ですからホクホクです。

2017年4月22日 (土)

花鳥風月そして鐘

あっちもこっちも発表会モードであります。

ピアノの方は、ソロは没後80周年のラヴェルの小品を2曲、室内楽は特に意味はなくフォーレの子守唄。3曲とも、ゆったりしたテンポが共通しています。
そうです。あわてて自爆しないための予防策です。キリッ。
これにしますと提出した直後、先生には「ロマンチストだったんですねえ」と意外そうな口調でコメントをいただきましたが、自分の中にロマンチストなんて要素はまったくないので心底驚きました。
でも、その3曲だけで判断するとそうなるか…。
本当は、弾けるものならもっと希望する曲がいくつもあるんですけど、技術的に絶対無理だから出さなかったの。そっちのラインナップなら、どこひっくり返してもロマンチストという単語は出てこないっすよ。

それはさておき、今後の発表会で弾きたい曲を、実現可能と思われる範囲(今は難しくても数年後なら)でリストアップしたところ、以前なら考えもしなかったような曲が入ってきました。
最近は、あまりにも無理やりがんばってギリギリどうにか弾けるくらいのレベルって、努力が無駄なんじゃないかと達観してきましてね。
これが20代ならがむしゃらにやってみて玉砕しても若気の至りで笑ってすませられるんですけど、無駄な努力をしている年齢ではないぞと。
達成感だけは感じたとしても完成度は低いはずですし、超ムズ1曲をそこまでもっていくまでにかかる月日があれば、自分の技術に見合ったほどほどの曲を数曲きちんと仕上げられますよ。
はるか上の高みに無謀に挑むのは、ゲームをクリアするような感覚で脳内麻薬は出るかもしれないけど、音楽を楽しむのとは別の種類の楽しみのような気がする。それもまた楽しみの一つだから、人それぞれに楽しめばいいのですが。

で、ブランク前の大昔に「弾けたらいいな」とあこがれていたのは《お水系》の曲たちです。
再開してからは、自分には非現実的だということで挑戦はやめました。
リストの「エステ荘の噴水」から始まって、不定形の水を表現する曲がフランス印象派を中心に続々と作曲されていったんです。小さな流れから荒れ狂う大波までいろいろ。水に反射する光を表現するという一ひねりした曲もあります。
◆リスト「エステ荘の噴水」
ローマなだけあって明るい陽射しが感じられます。
昨年秋に惜しくも亡くなったコチシュの演奏が素敵なので貼りますね。

◆ラヴェル「水の戯れ」「オンディーヌ」
後者は水辺に来る人間の男を誘惑して殺す怖ろしい妖精で、不思議な感じと誘惑されていい気分になっている感じが混ざり合った曲ですが、最後に男が危険を察知して逃げてしまったあとの部分が凄いです。水滴がぽたりぽたり…オンディーヌは消えてしまったのかな?と思ったところに、ザバアッ!と出てきて高笑いしてからフッと消えるの。こわいよー。でも綺麗だよー。
◆ドビュッシー「水の反映」
こちらは水の動きも表しているけれどどちらかというとそこに映る光の反射が主役。最初はゆらゆらとぼんやりした水の影から始まり、さざなみや流れへと視線が移っていきます。
以上はピアノソロですが、この時代はオーケストラ曲にもお水ものがあります。

これらを自分で弾くのはあきらめ、入れ替わりに目標になったのは《鐘系》です。
決して易しくはないのだけど、速い動きがない分、じっくり音作りをすれば満足な仕上がりまでもっていける可能性が高いと思うのです。
若い頃に弾いてみたいと思わなかったのは、地味に思えたからかなあ。
鐘がゴーンゴーンって鳴っている様子を音楽にしているので、どうしてもゆっくりめになっちゃいますしね。
あ、リストの「ラ・カンパネラ」は除外です。速いし派手だしで絶対に弾けるわけがないってのもありますが、遠くの方でゴーンンンンン……(余韻)って感じの鐘ではないところが決定的に違うんですよ。
私の思う《鐘系》の曲は、
◆ラフマニノフ「鐘」
これは中間部が派手ですけどイメージからはずれてはいません。私には弾けない気もするが一応あげておきます。
真央ちゃんが使った曲としても有名です。これ↓ね。

◆ドビュッシー「沈める寺」
これが私の本命。来年弾けたらいいな。海に沈んだ伝説の都市から寺院の鐘がきこえてきて…というストーリー性もそそる。
◆ラヴェル「鐘の谷」
遠くの谷から聞こえてくる鐘→その谷までやってきて鐘を聞く→鐘のある教会の中で聞く→また外に出る→最初にいた地点まで遠ざかる。風景画の中に入って歩いているようなところがいい。この3曲の中では一番地味ですが、譜面はかなりごちゃごちゃして見えます(笑)。

テーマで探していくといろいろ見つかりますね。「月」とか「鳥」とか。
そういえば、バロック音楽では「鳥」や「花」の曲はあるけれど、「水」「月」「風」はあるのかな。今のところ思いつきません。

2017年4月16日 (日)

フランスとドイツ

年度末はチェンバロをお休みするルーティンができていて、今年もそうでした。4月から気持ちも新たに復活です。
今日がその久々のレッスンだったのですが、偶然にも今日ってイースターではあ~りませんか。まさに復活だわ。

さてさて、お休み期間中に今年の発表会の大枠が決まり、選曲どうしようかなーと考えながら過ごしておりました。
今年は、いつも合同で発表会をしている低弦楽器チームが参加できず、チェンバロ組だけでの会となります。
そうなることは去年からだいたいわかっていたので、いわゆる発表会という形にこだわらず、生徒たちの交流会になるような、お話多めのわいわいがやがやした感じにしようと話していました。
しかし、そうなると万障繰り合わせてまでスケジュールの都合をつける人が減るのだろうな…いつものメンバーよりもだいぶ少なくなってしまいました。
チェンバロの生徒さんの多くは他の楽器(だいたいピアノ)が本業の音楽家さんなので、土日は仕事が入るのが普通ですもんね。ピアノの先生とか、土日こそ忙しいわけで。
そんな事情で、今回は私のような素人が3人とピアニストさん1人にチェンバロの先生という実にコンパクトな顔ぶれです。その分、時間を気にしなくていいので、悪いことばかりではないのですけどね。

今回使用するチェンバロは、後期フレンチ(のレプリカ)の2段鍵盤でして、楽器に合った選曲にしてみましょう、というのが課題の一つとなりました。
後期フレンチ楽器に合わない曲は、時代に関係なくイタリアものとスペインものです。
ということで、私の好物であるフレスコバルディ(初期イタリア)は除外。
ロココ時代ならスペインのでもいいのでは?と思っていましたが、リズムの切れの良さが命であるスペインものですからやっぱり合いませんね。できないことはないけれど、わざわざそうする意味がないよね。

逆に、誰がどう考えてもぴったりなのは、後期バロック時代のフランス人作曲家です。そりゃ当たり前です。
フランソワ・クープランやラモー、ちょっとマイナーなところでデュフリ(ロココ真っ盛りの人)などはどんぴしゃです。
しかし、私にはこれらの作曲家の曲はニンじゃない。キャラでもない。聴く分にはいいけれど弾く気が全然しない。

フランスもの以外にはどんなのがこの楽器にお勧めかというと、意外にもドイツものがいいのだそうです。しかも時代はあまり考慮しなくていいと。
時代的にはバッハはもちろんOKだし、中期バロックまでさかのぼってフローベルガーなども美しい曲が多いので、優雅な音色の楽器に合うとのことです。ほえぇぇ…そうなのかあ!
なので、改めてバッハでもいいかなとちょっと思ったけれど、よく考えてみるとドイツバロックの作曲家をほとんど知らないではないか私。この機会に新しく開拓してみてはどうか?
フローベルガーはバロックではメジャーな作曲家だと今は知っているけれど、習い始めた頃は名前を聞いたことすらなかったほどです。そして、生徒仲間の一人がフローベルガー大好きで、知り合った当初から(もう5年目になる)フローベルガーしか弾いていないくらいなので、あえて同じ作曲家に手を出すつもりはありません。

そこで先生が思いついたのがベームです。
ベームってカールしか知りませんよ…誰ですか。
Wikiってもあまり情報が出てこないのでだいぶマイナーかと思いきや、古楽界隈ではまあまあメジャーどころだそうです。
ゲオルク・ベーム。教会オルガニストで作曲家、バッハより20歳くらい年上でバッハに影響を与えた人…よし、覚えたぞ。
バッハより前なので組曲でも規模が小さく形式もそこまで整っていない。小品という感じで初めてでもとっつき易い音楽です。
先生がさらっと何曲か弾いて聴かせてくださったんですけど、ちょっとびっくりするくらい今の感覚で聴けるんですよ!
「シェルブールの雨傘」とかあそこら辺のオシャレなフランス映画の音楽を彷彿とさせます。
フローベルガーにも少しそういうところがあるけれど、ベームはもっとです。美しいわー…本当にうっとりしました。
先生の腕があるからと言ってしまえばそれまでですが、私のがちゃがちゃ演奏でぶちこわしにしないよう、練習がんばります。
音符自体はそんなに難しくありません。

それから、こんな小さな会でも通奏低音ははずせませんよ。
出る人全員がやるかどうかはわかりませんが、私を含め通奏低音好きな人はやりまっせ。
先生のお知り合いをどなたか呼んでいただけるそうです。
どの楽器かが決まらないので曲も決まっていませんが、ざっくりとした希望を尋ねられたので、テレマンの室内楽をプッシュしておきました。
どの曲の通奏低音が難しいかそうでもないかの判断ができないので、選曲はおまかせです。ピアニストの生徒さんが難しい曲を弾いて、私が軽いのにすればメリハリもできておもしろくなりそう。
テレマンは名曲ばかりだからどれ選んでも間違いないのはもちろんのこと、没後250周年だからちょうどいいと思うの。後期フレンチの楽器にも合うし。テレマンに決まるのかはまだわかりませんが。
あと、雑談の中で、ダウランドの世俗歌を聴いて良かったという話をしたら、ダウランドもいいかもしれませんねぇとなったので、そっちになるかも。リュートで通奏低音を弾くように書かれているのをチェンバロに置き換えるわけです。
まあ、他の生徒さんの希望もきいて、助っ人共演者が決まって、それからですね。

去年、一昨年と比べると編成のバリエーションが格段に乏しいので、あそこまでおもしろい会にはならないでしょうけれど、少人数なりの利点のあるプログラムになるといいな。

***

で、思ったんですけど、古楽においては、圧倒的にフランスものよりドイツものが好きなんですよ私。
でも「いわゆるクラシック音楽」の範囲になると、ドイツものにはイマイチ惹かれず、フランスものにぞっこんという。
150年くらいの間に何があったんだ?

2017年3月24日 (金)

『カルテット』の劇伴

私はここ20年ほどは民放の連続ドラマを割と多く見ている方だと思います。
シーズン5くらいまで失速しない洋ドラの良作に比べるといろいろいろいろゴニョゴニョ…なのですが、劇伴音楽(サウンドトラック)はどれも結構いいと思うんですよ。
しかし、サントラ盤を買うかどうかはかなり迷います。1年以上経って値段が下がってもまだ聴きたい気持ちが強かったらポチる。
でもテーマ曲だけが突出して印象的なものはやめておきます。さまざまな場面に数秒から1分程度で書かれた曲がいつまでもよみがえってくるようなら、サントラ盤1枚すみずみまで楽しめるでしょう。

作曲家ごとに個性はもちろんあるけれど、サントラでよく使う手法みたいなことはだいたい共通しているので、そうではないことをしていると強く印象づけられます。
私の場合はやはりジャズを使われちゃうと「おっ」と思いがちです。
それと使用楽器がちょっと変わっている場合も耳につきます(わかり易い例だとチェンバロとか)。
チェロを主役に持ってきた『福家警部補の挨拶』や、ジャズであることに加えてピアノの使い方が独特だった『無痛』は迷わず「買い」でした(値段下がるまで待ったけど)。
『泣くな、ハラちゃん』も、よくあるオーケストラものではなく、かといって王道のジャズでもなく、内容に合った風変りな感じがとても好きでした。

さてそこで、先日終わったばかりのドラマ『カルテット』でございます。
出演者も内容も良くて一番楽しみに見ていました。
題名の通り主役の4人が弦楽四重奏団を組んでいて、演奏シーンもあり(回を追うごとに減ってきていたが…)主にクラシックの曲が効果的にかぶってくることは多かったです。
毎話、その曲が頭にこびりついてしまうくらい、場面に密接に食い込んでいて、うまい使い方だなあと感心してしまいました。

そんな中、先々週の最後に「番組関連本がいろいろ出たので視聴者にプレゼントします」と告知が出ました。
ムック本、シナリオ本、その隣には楽譜……楽譜?思わず録画を戻して一時停止しちゃったじゃないか。いやいやいやいや…まじか。
ドラマの主題「歌」なら、必ずと言っていいくらい楽譜が出ます。
歌無しのテーマ曲の場合でも『HERO』くらいヒットしていれば楽譜も売れる。
『カルテット』は、主題歌がとても素敵だしきっとそれの楽譜だろうと思ったのですが、サントラをピアノ編曲した楽譜なんですってよ!4人の演奏で使ったクラシック曲ではなくて、ほんとに純粋にサントラの曲なんだって。主題歌のピアノアレンジもちゃんと入ってますけど、こういうことは珍しいと思うよー。
それで、思い出そうとしてみたんだけども『カルテット』の音楽ってどんなんだっけ…?
毎回てんやわんやのシーンで流れる、一番テーマ曲っぽいやつだけしか思い浮かばない。
で、録画を再生してそれだけに注意して見たところ、音楽は乱用しておらず、ここぞというところでちょこっとだけ入れているのでした。
そして、印象に残るようなわかりやすいメロディをつけないところも曲者。
音楽が流れていると意識させないところで、でもちゃんと良い曲が流れているということに、ここまできてようやく気がつきました。楽譜の件がなかったら気づかないままでしたよ。
すごいなあ、こういうセンスの人がドラマの音楽をやっているのか。
調べたら、3人編成のジャズロック・バンドで、本業の方の音もかっこよくてお洒落だった。
あの楽譜、買ってこよう。

楽譜といえば、『直虎』のテーマ曲の公式ピアノ譜、買っちゃいましたよ(数種類出ていたけれど、作曲者が監修したアレンジが一番よさげだった)。
『真田丸』はピアノだけでやってもつまらないので手を出さなかったけれど、『直虎』はちょっと挑戦してみたくもなるってもんです。
大河クラスともなると、いろんな出版社が雑誌も含めて多種多様なアレンジで楽譜を出してくる(去年はヴァイオリン雑誌に弦楽四重奏アレンジが載っているのも見た)けれど、『直虎』の場合はやっぱりオリジナルのあのピアノに憧れるじゃないですか。
一聴して素人にはとてもムリとわかるのだけど、ちょっとだけやってみたいゴコロは消せない。
公式楽譜では、テーマ曲はほどほどのアレンジなので、オリジナルの凄技ができなくても響きのエッセンスが楽しめました。他に、テーマ曲以外の劇伴が2曲入っています。

2017年3月 6日 (月)

室内楽の沼を見た

室内楽レッスンを受けている5組のメンバー全員が室内楽で発表会に出ることを表明し、曲目も決まったところで、月1のレギュラーレッスンは一旦休止となりました。
同じ曲を毎月レッスンする必要はありませんし、他にもソロ曲でも出るのでそちらの練習も忙しくなるでしょう。
それぞれで練習しておいて、合わせる練習は本番が近付いたら2~3回やるくらいでいいみたいです。

2月の室内楽レッスンが一応の最終回(発表会後に再開予定)だったのですが、その回ではベートーヴェンの易しいピアノ曲を編曲したものをやってみました。
音符は少ないし、ゆったりした曲調だしで、楽勝じゃんって思っちゃったんだけど、弦楽器と方向性を揃えるのが実に大変で、少人数アンサンブルのむずかしさの沼が手招きしているのを実感しました。甘く見るとこわいわー…。
欲しい音色を出すのに四苦八苦。4ヶ月やった中でとびぬけて苦労しました。
予習段階でこれらの問題点がまったく予想もついていなかったのでその場で対処法を探しながら音楽を作っていったのです。
こういうことを積み重ねて、自分の中のどのひきだしを使うといいのかすぐに判断できるようになっていくのであろう…。
弦と合わせるのにこんなに繊細な神経を使わないといけないなんて。想像の遥か上をいっていますよ。やってみなくちゃわからないってやつですよ。感動。

他のメンバーがプロ(先生)だったら、上手な演奏にひっぱられてなんとなくうまくできちゃった気になりそうですが、全員ド素人なので自分の問題点がわかりやすく浮き上がるんですよね。
上手な人とやると上達するのも事実ですが、これはこれで良いこともある。
本番ではチェロパートを先生に弾いていただくのでかなりカバーされてしまうと思いますが、自分の音を良く聴いてしっかり責任を持って演奏するよう練習していかねば。

余談ですが、室内楽を主にやっているプロのピアニストのインタビューで「弦楽器と合わせる場合と、管楽器との場合で、気をつける点の違いはありますか?」との問いに「管楽器と一緒のときは音をでかくする」と答えていて、笑ってしまった。
ジョークでもありマジでもあり。

2017年3月 1日 (水)

大河ドラマのテーマ曲

大河ドラマは毎年必ず全話視聴するわけではありませんが、テーマ曲はたいてい好きになります。
そもそも最近まで日本のテレビドラマを見ない派だったので、昔の大河ドラマはほぼテーマ曲しか知らないと言える(本編は見ていなくてもどこかしらでテーマ曲だけは耳にする)。

歴代の中で好きなテーマ曲を3曲挙げるならば、
◆『風林火山』
理屈抜き。好きとしかいいようがない。聴くだけで血沸き肉踊る。
本編も大好きだったので、聴くと登場人物たちを思い出してムネアツにもなれる。
◆『平清盛』
原曲「タルカス」の勢いにだいぶ助けられてはいるが、平安プログレという他にない味が強い印象を残した。
テーマ曲以外の劇伴もとてもよかったし、本編関係なしにサントラとしてかなり上位にくる。
◆『花神』
大海原に漕ぎ出す船を思わせるのが印象的で、昔の大河テーマ曲を思い出すとなるといつもまっ先にこれが出てくる。
ベース好きなせいか、メロディは実はさほど好きでもないのだけど波を漕ぐような動きのベースラインがツボだった。

◆『真田丸』
も好きだけど、テーマ曲だけの好き度は『花神』と同じくらいかな。
これは本編が好きすぎて冷静に採点できん…。

ヴァイオリン独奏がかっこよかった『真田丸』の次にきた『おんな城主 直虎』のテーマ曲はピアノがかっこいいですね。
『丸』のヴァイオリンは野性味あふれるかっこよさで、『虎』のピアノは怒涛のうねりにキラキラ感をまぶしたかっこよさ!
楽器の違いもあるけれど、女性主人公らしさが出る曲になっているのですね。
私にとって菅野よう子にハズレなしなので期待は大きかったけれど、やはりやってくれましたな!
どんな曲調でいくのかは予想できなかったが、こう来たかというか、この手があったかというか、時代劇でもこれアリなんだなというか、とにかくびっくり&イイネ!であります。
テーマ曲もだけど、劇伴でもちょこちょこ使っている5音音階のせいで『虎』曲にはドビュッシーみがあるでしょう。
大河ドラマといえども昔から西洋音楽を使っているんだから、フランス近代ものに限って使っちゃダメということもないはずですけど、印象派な感じはいくらなんでも大河ドラマにはナシだという「なんとなく」の思い込みのようなものがあったんだなあ自分には…。なんだ、全然問題ないじゃん。
もっとも、ドビュッシーが東洋風を狙って書くときに5音音階を使っていたのだから半ひねり技って気もする。日本語を仏訳してそれをまた和訳したら原文と同じにならなかったってのを思い出した。
ドビュッシーがちらつく『虎』音楽、そりゃ私が好きっていうにきまってるさ。
おまけにパーヴォ・ヤルヴィ指揮というだけでいてもたってもいられなくなる。
サントラ盤の題名、「音楽虎の巻 イチトラ」「同 ニィトラ」…と続くそうです。3枚目の「サントラ」が言いたかったんだな…ダジャレかい。でも全部買うわよ~。

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