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2017年4月

2017年4月26日 (水)

古書店で

1~2ヶ月に1度、楽譜専門の古書店をのぞいています。
どなたかが蔵書を手放さないと棚の中身は増えませんので、これはと思う出物が見つかるかどうかはタイミング次第。

本は買ったときのままきれいに読みたい派ですが、楽譜の場合は、開き癖はバンバンつけますし、鉛筆による書き込みも躊躇しません。めくりやすいように頁の角を折るなんざ当たり前、不注意で曲げてしまってもまあ我慢できる。
そんなわけなので、少々汚れていても楽譜なら古本でも可。
著作権の関係で新刊本が高価な作曲家の楽譜、絶版等で手に入りにくい楽譜、自分は弾けないがじっくり見たい楽譜、あまり思い入れはないが一応持っておきたい楽譜(モツのピアノソナタ全曲とか)などを古書店で探します。

先月チェックした際に、気になるが即買いをためらった楽譜がありまして、ちょいちょい思い出してはやっぱり欲しいかもなあ…となって、自分の誕生日に行って残っていたら買おう!と決め、ついに手元にやってきました。

プロコフィエフのピアノソナタ第7番なんですけど、プロコの楽譜って本当は(?)1種類しかないんです。いろいろな出版社が版権を買って出しているけれど、中身はまったく同じ。
ロシア近代の作曲家の楽譜にはこういうケースが多いですね。
他の作曲家の場合は、元の曲は同じでも出版社ごとに版を作っているので、1段の小節数が違ったり(ゆったり書くと見易いが、ページをめくる回数が増える)、音符の書体やらが違ったりします。内容に研究者の手も入っていて、どれを選ぼうか迷っちゃいます。
でもプロコなどの場合は、どの出版社の楽譜も、元の出版社のものをコピーしているのでまったくおんなじなの。
なので、1冊持っていればいいわけです。
今日買った曲は、日本の出版社からピアノソナタ3曲まとめてお手頃価格で出ているのを持っているので、最初に見つけたときにどうしようか迷ったんですよ。中身いっしょだもん。
しかし迷うのは魅力もあるからで、それはデザイン。ソ連時代の香り漂う、民俗的でチープでかわいらしいイラスト。1曲だけなので厚みがなく譜面台の上でも開き易い。
前の持ち主が使いこんだようで、謎の書き込みがたくさんしてあって、その分値段が安い。謎すぎてその意味を解読するのもおもしろそう…。日本人が書いたのかな?そこからして謎。
とても難しい曲で私などには来世でも弾けないだろうと思うのですが、第3楽章だけは現世で弾いてみたい気持ちがあったので、このかわいい表紙の楽譜でやる気アップ!なんてね。

それから、プロコのピアノソナタは1曲で1冊になっている楽譜を全曲とも集めようと思っていまして(5曲ずつ厚い本になっているのは新刊書店でも買えますがそれは欲しくない)、4番以降は割とすぐに揃いました。
が、1番から3番までの3冊がなかなか出ない。初期作品は傑作とまでは言えないせいか元々あまり市場に出ていないようで。
が、デザインがかわいらしい7番を買いにいったら3番がついに見つかりましてね!どこのどなたか存じませんがありがたや~。
3番は1楽章だけしかなくて短い上に、プロコらしさ全開しているので楽譜をのぞいてみたかったの。どうなってるのかな、と。嬉しいなあ。しかも500円。新刊で買うと3,000円以上します。弾けない(えらく難しいの!)のにそれ買うかって値段でしょ。

ついでに室内楽の古本コーナーも見てみると、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲(1番&2番で1冊)の楽譜が300円で出ていました。
安すぎる理由は、ヴァイオリンとチェロのパート譜がないからです。私にはパート譜は必要ないので、それがないおかげで激安なのはラッキー。
この2曲のピアノはとても難しいらしくて、私がレッスンに持って行くことはないと思うけれど、ヴァイオリンの人たちが(プロもアマも)メンデルスゾーンメンデルスゾーン言っているので一応楽譜は読んでおこうと頭のすみにとどめていた曲です。
この本もがっつり使った跡があり、そこそこ厚いのにどのページもしっかり開く。日本人による役立ちそうな書き込みもたくさんあるので、勉強にちょうどいいと思います。
普通に買ったら1万円弱もするのが、なんたって300円ですからホクホクです。

2017年4月22日 (土)

花鳥風月そして鐘

あっちもこっちも発表会モードであります。

ピアノの方は、ソロは没後80周年のラヴェルの小品を2曲、室内楽は特に意味はなくフォーレの子守唄。3曲とも、ゆったりしたテンポが共通しています。
そうです。あわてて自爆しないための予防策です。キリッ。
これにしますと提出した直後、先生には「ロマンチストだったんですねえ」と意外そうな口調でコメントをいただきましたが、自分の中にロマンチストなんて要素はまったくないので心底驚きました。
でも、その3曲だけで判断するとそうなるか…。
本当は、弾けるものならもっと希望する曲がいくつもあるんですけど、技術的に絶対無理だから出さなかったの。そっちのラインナップなら、どこひっくり返してもロマンチストという単語は出てこないっすよ。

それはさておき、今後の発表会で弾きたい曲を、実現可能と思われる範囲(今は難しくても数年後なら)でリストアップしたところ、以前なら考えもしなかったような曲が入ってきました。
最近は、あまりにも無理やりがんばってギリギリどうにか弾けるくらいのレベルって、努力が無駄なんじゃないかと達観してきましてね。
これが20代ならがむしゃらにやってみて玉砕しても若気の至りで笑ってすませられるんですけど、無駄な努力をしている年齢ではないぞと。
達成感だけは感じたとしても完成度は低いはずですし、超ムズ1曲をそこまでもっていくまでにかかる月日があれば、自分の技術に見合ったほどほどの曲を数曲きちんと仕上げられますよ。
はるか上の高みに無謀に挑むのは、ゲームをクリアするような感覚で脳内麻薬は出るかもしれないけど、音楽を楽しむのとは別の種類の楽しみのような気がする。それもまた楽しみの一つだから、人それぞれに楽しめばいいのですが。

で、ブランク前の大昔に「弾けたらいいな」とあこがれていたのは《お水系》の曲たちです。
再開してからは、自分には非現実的だということで挑戦はやめました。
リストの「エステ荘の噴水」から始まって、不定形の水を表現する曲がフランス印象派を中心に続々と作曲されていったんです。小さな流れから荒れ狂う大波までいろいろ。水に反射する光を表現するという一ひねりした曲もあります。
◆リスト「エステ荘の噴水」
ローマなだけあって明るい陽射しが感じられます。
昨年秋に惜しくも亡くなったコチシュの演奏が素敵なので貼りますね。

◆ラヴェル「水の戯れ」「オンディーヌ」
後者は水辺に来る人間の男を誘惑して殺す怖ろしい妖精で、不思議な感じと誘惑されていい気分になっている感じが混ざり合った曲ですが、最後に男が危険を察知して逃げてしまったあとの部分が凄いです。水滴がぽたりぽたり…オンディーヌは消えてしまったのかな?と思ったところに、ザバアッ!と出てきて高笑いしてからフッと消えるの。こわいよー。でも綺麗だよー。
◆ドビュッシー「水の反映」
こちらは水の動きも表しているけれどどちらかというとそこに映る光の反射が主役。最初はゆらゆらとぼんやりした水の影から始まり、さざなみや流れへと視線が移っていきます。
以上はピアノソロですが、この時代はオーケストラ曲にもお水ものがあります。

これらを自分で弾くのはあきらめ、入れ替わりに目標になったのは《鐘系》です。
決して易しくはないのだけど、速い動きがない分、じっくり音作りをすれば満足な仕上がりまでもっていける可能性が高いと思うのです。
若い頃に弾いてみたいと思わなかったのは、地味に思えたからかなあ。
鐘がゴーンゴーンって鳴っている様子を音楽にしているので、どうしてもゆっくりめになっちゃいますしね。
あ、リストの「ラ・カンパネラ」は除外です。速いし派手だしで絶対に弾けるわけがないってのもありますが、遠くの方でゴーンンンンン……(余韻)って感じの鐘ではないところが決定的に違うんですよ。
私の思う《鐘系》の曲は、
◆ラフマニノフ「鐘」
これは中間部が派手ですけどイメージからはずれてはいません。私には弾けない気もするが一応あげておきます。
真央ちゃんが使った曲としても有名です。これ↓ね。

◆ドビュッシー「沈める寺」
これが私の本命。来年弾けたらいいな。海に沈んだ伝説の都市から寺院の鐘がきこえてきて…というストーリー性もそそる。
◆ラヴェル「鐘の谷」
遠くの谷から聞こえてくる鐘→その谷までやってきて鐘を聞く→鐘のある教会の中で聞く→また外に出る→最初にいた地点まで遠ざかる。風景画の中に入って歩いているようなところがいい。この3曲の中では一番地味ですが、譜面はかなりごちゃごちゃして見えます(笑)。

テーマで探していくといろいろ見つかりますね。「月」とか「鳥」とか。
そういえば、バロック音楽では「鳥」や「花」の曲はあるけれど、「水」「月」「風」はあるのかな。今のところ思いつきません。

2017年4月16日 (日)

フランスとドイツ

年度末はチェンバロをお休みするルーティンができていて、今年もそうでした。4月から気持ちも新たに復活です。
今日がその久々のレッスンだったのですが、偶然にも今日ってイースターではあ~りませんか。まさに復活だわ。

さてさて、お休み期間中に今年の発表会の大枠が決まり、選曲どうしようかなーと考えながら過ごしておりました。
今年は、いつも合同で発表会をしている低弦楽器チームが参加できず、チェンバロ組だけでの会となります。
そうなることは去年からだいたいわかっていたので、いわゆる発表会という形にこだわらず、生徒たちの交流会になるような、お話多めのわいわいがやがやした感じにしようと話していました。
しかし、そうなると万障繰り合わせてまでスケジュールの都合をつける人が減るのだろうな…いつものメンバーよりもだいぶ少なくなってしまいました。
チェンバロの生徒さんの多くは他の楽器(だいたいピアノ)が本業の音楽家さんなので、土日は仕事が入るのが普通ですもんね。ピアノの先生とか、土日こそ忙しいわけで。
そんな事情で、今回は私のような素人が3人とピアニストさん1人にチェンバロの先生という実にコンパクトな顔ぶれです。その分、時間を気にしなくていいので、悪いことばかりではないのですけどね。

今回使用するチェンバロは、後期フレンチ(のレプリカ)の2段鍵盤でして、楽器に合った選曲にしてみましょう、というのが課題の一つとなりました。
後期フレンチ楽器に合わない曲は、時代に関係なくイタリアものとスペインものです。
ということで、私の好物であるフレスコバルディ(初期イタリア)は除外。
ロココ時代ならスペインのでもいいのでは?と思っていましたが、リズムの切れの良さが命であるスペインものですからやっぱり合いませんね。できないことはないけれど、わざわざそうする意味がないよね。

逆に、誰がどう考えてもぴったりなのは、後期バロック時代のフランス人作曲家です。そりゃ当たり前です。
フランソワ・クープランやラモー、ちょっとマイナーなところでデュフリ(ロココ真っ盛りの人)などはどんぴしゃです。
しかし、私にはこれらの作曲家の曲はニンじゃない。キャラでもない。聴く分にはいいけれど弾く気が全然しない。

フランスもの以外にはどんなのがこの楽器にお勧めかというと、意外にもドイツものがいいのだそうです。しかも時代はあまり考慮しなくていいと。
時代的にはバッハはもちろんOKだし、中期バロックまでさかのぼってフローベルガーなども美しい曲が多いので、優雅な音色の楽器に合うとのことです。ほえぇぇ…そうなのかあ!
なので、改めてバッハでもいいかなとちょっと思ったけれど、よく考えてみるとドイツバロックの作曲家をほとんど知らないではないか私。この機会に新しく開拓してみてはどうか?
フローベルガーはバロックではメジャーな作曲家だと今は知っているけれど、習い始めた頃は名前を聞いたことすらなかったほどです。そして、生徒仲間の一人がフローベルガー大好きで、知り合った当初から(もう5年目になる)フローベルガーしか弾いていないくらいなので、あえて同じ作曲家に手を出すつもりはありません。

そこで先生が思いついたのがベームです。
ベームってカールしか知りませんよ…誰ですか。
Wikiってもあまり情報が出てこないのでだいぶマイナーかと思いきや、古楽界隈ではまあまあメジャーどころだそうです。
ゲオルク・ベーム。教会オルガニストで作曲家、バッハより20歳くらい年上でバッハに影響を与えた人…よし、覚えたぞ。
バッハより前なので組曲でも規模が小さく形式もそこまで整っていない。小品という感じで初めてでもとっつき易い音楽です。
先生がさらっと何曲か弾いて聴かせてくださったんですけど、ちょっとびっくりするくらい今の感覚で聴けるんですよ!
「シェルブールの雨傘」とかあそこら辺のオシャレなフランス映画の音楽を彷彿とさせます。
フローベルガーにも少しそういうところがあるけれど、ベームはもっとです。美しいわー…本当にうっとりしました。
先生の腕があるからと言ってしまえばそれまでですが、私のがちゃがちゃ演奏でぶちこわしにしないよう、練習がんばります。
音符自体はそんなに難しくありません。

それから、こんな小さな会でも通奏低音ははずせませんよ。
出る人全員がやるかどうかはわかりませんが、私を含め通奏低音好きな人はやりまっせ。
先生のお知り合いをどなたか呼んでいただけるそうです。
どの楽器かが決まらないので曲も決まっていませんが、ざっくりとした希望を尋ねられたので、テレマンの室内楽をプッシュしておきました。
どの曲の通奏低音が難しいかそうでもないかの判断ができないので、選曲はおまかせです。ピアニストの生徒さんが難しい曲を弾いて、私が軽いのにすればメリハリもできておもしろくなりそう。
テレマンは名曲ばかりだからどれ選んでも間違いないのはもちろんのこと、没後250周年だからちょうどいいと思うの。後期フレンチの楽器にも合うし。テレマンに決まるのかはまだわかりませんが。
あと、雑談の中で、ダウランドの世俗歌を聴いて良かったという話をしたら、ダウランドもいいかもしれませんねぇとなったので、そっちになるかも。リュートで通奏低音を弾くように書かれているのをチェンバロに置き換えるわけです。
まあ、他の生徒さんの希望もきいて、助っ人共演者が決まって、それからですね。

去年、一昨年と比べると編成のバリエーションが格段に乏しいので、あそこまでおもしろい会にはならないでしょうけれど、少人数なりの利点のあるプログラムになるといいな。

***

で、思ったんですけど、古楽においては、圧倒的にフランスものよりドイツものが好きなんですよ私。
でも「いわゆるクラシック音楽」の範囲になると、ドイツものにはイマイチ惹かれず、フランスものにぞっこんという。
150年くらいの間に何があったんだ?

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