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2017年12月

2017年12月12日 (火)

ブラームスの印象

さてそのブラームスですが、ロマン派の中で誰にする?ということでそれにしたんですけど、改めて調べてみるとおぼろげだった印象がだいぶ変わってきました。
生きた年代はロマン派の後期ですが、曲(特に管弦楽曲)は古典派に近いものだったんですね。
ベートーヴェンへの尊敬の念が強すぎて、ベト風から脱する気がなかったという。
ただ、ほっといたら古典派っぽい音楽は廃れて埋もれてしまったかもしれない(バッハはそれで一度忘れ去られましたからね)。ベト風の、小編成でがっちりした構成の交響曲を継承し、同時代の仲間たちが交響曲を発展形にもっていくきっかけを作ったんだって。チャイコとかマーラーとかが、編成を厚くし、形式よりもストーリーを重視した交響曲を生み出したのもブラームスのおかげだったりして?
ピアノでちゃんと習ったのはハイドンベトモツまでという私には、ロマン派の入り口にそんなブラームスを持ってきたのはよかったのかしら。

でもそんなブラームスでもピアノ曲には結構ロマン派の香りがするよ。
そもそもピアノ曲のイメージのない人で、ブラームスといえば交響曲とハンガリー舞曲とヴァイオリン協奏曲、ピアノはかろうじてワルツ(Eテレ2355)、あとは何があるの?と思っていました。
ここ数年で、「交響曲は意外と4曲しか書いていない」「室内楽曲は割と多い」「歌曲はとても多い」「ピアノ曲は若い頃と死ぬ前に集中して作曲し、数は少ない」ということを知りましたが、ピアノ曲に限らず全体的に多作ではないということもなんだか意外。
超マジメで完璧主義者、推敲に年月がかかったらしいです。
ピアノ曲から作曲を始めましたが、たいした曲数を作らないうちに交響曲などの大作に向かっていき、ピアノへの興味を失ったかのような時期が長かった。亡くなる4年前に身辺整理などしてから「やっぱピアノ曲を書いときたくなったわ」とばかりに短い曲を20曲(と声楽曲を少し)続けて作ったそうです。
そんな事情を反映し、最後の20のピアノ曲には地味・暗い・ゆっくりの曲が多いです。速い曲でもほの暗い。遺書みたいな曲と位置付けられていますし、死にゆく自分への子守唄だと自分でも言っていたそうです。でも美しいんですよ。
私は50歳を過ぎてから初めて聴いたので、しみじみいい曲だなと第一印象から良かったんですけど、もし若い頃に聴いていたら「暗い!遅い!いらん!」と切り捨てていたでしょう。
聴けば聴くほどしみるスルメ曲たちです。

2017年12月11日 (月)

最近のレッスンメニュー

久しぶりにピアノのレッスン風景など。
当初からずっと3冊の楽譜を使っています。
別々の3つの目的に沿った3冊なんですよ。

①純粋に技術だけをとり出してレッスンする

樹原涼子著 『ピアノランド』 テクニック編 全3巻

『ピアノランド』というのはまったくの初心者用の教材シリーズで、曲を弾きながら楽譜の読み方のルールなどを覚えていくタイプの楽譜です。昔なら『バイエル』一択だったのが、今はこのような教材がたくさん出ています。
で、その姉妹編で「テクニック」に焦点を絞った別冊があり、それを使って基本を叩き直しているというわけです。
ここに出てくるようなことは遠い昔に全部やってきたのですが、今更こんなことなんて思ったら大間違い。細かい点では完璧に習得できていなかったことが自覚できて、叩き直し甲斐のあるレッスンとなっています。
体の使い方も自己流で、無駄な動きが多かったり、力の入れどころがまったく間違っていたり、直すとラクに弾けるし、昔できなかったことができるようにもなるし、いいことばかりです。
音符の意味(長さとか)を正確に考えるクセもつきました。
初級の曲でも、「こんなのパッと見てサラッと弾けるじゃん!」なんてもう言えませんよ。

この教材は今の先生についた当初から使い始めて、全3巻の最終巻に入りました。
その巻は、小学校高学年くらいにならないと身体的に無理かなという内容が多いです(体のサイズや筋肉の発達などの問題)。
表紙のイラストも、上巻は幼稚園児くらい・中巻は小2くらい・下巻は小6くらいの子が描かれていて、なるほどです。

②並んでいる音符を見て作曲家が曲にこめた意味を考える訓練

バルトーク作曲 『ミクロコスモス』 全6巻

これも当初から使い始めて第2巻に突入。4巻までが学習用で、5・6巻はいきなり中級の上くらいにレベルが跳ぶ不思議な曲集です。
2巻くらいまでは、見た目は『バイエル』くらいのまばらな音符で手が小さくても弾けるように書かれているのですが、調性やリズムがとても変わっていて従来の「音楽らしい音楽」「きれいでうっとりする音楽」ではないので好みが分かれるところです。
『バイエル』はベートーヴェンと同じくらいの時代に作られましたが、バルトークは最近の人だからね。
ですが、子供のうちから習うのなら、最初からこのようなへんてこな譜面に慣れ親しんでおくと、先々お得だと思います。
私の場合は、近現代の音楽が好きな人だからこの曲集がいいだろうと先生が考えたそうです。ドンピシャです。

毎回、おもしろいストーリーが思い浮かんできて超カンタンな譜面なのに演奏を楽しんでしまいます。
そんな中で、「ここで左手と右手が反行します」「ここからカノンになっています」「これはフリギア旋法です」「終止の直前にナポリの6度、来ましたー」などと文法的なことを見つけて、かつそれにきちんと対応するクセをつけるよう訓練中です。
弾くだけで頭がいっぱいになるレベルの曲では、いろいろ考えて演奏することが大変なので、あえてこのレベルで丁寧に、という趣旨なのです。
いちいち身構えなくても、自然にできるようになったらいっちょ前なんだが。
短くて音が少なくてヘンテコな曲なので、曲の美しさにごまかされずに文法を考えることができるんですよね。美しい曲だと、なんとなく盛り上げて歌った気になるというワナがある。

2巻に入ってからは全曲やらなくてもいいかな~となって、抜粋してレッスンしています。
1巻が終わった時、先生は「次どうしましょうねえ。いきなり6巻に行ってもいいかもしれない」ともおっしゃっていましたが、おもしろがってやっていることだしもう少しやってみることになったのでした。
4巻までは同じようなレベルでじっくり固める構成だから、大人はある程度やったらとばしてもいいかもしれません。

③上記の曲集で練習していることを「音楽らしい音楽」でも応用する

カバレフスキー作曲 『子供のための小曲集』

この人も近代人なので、ベトモツ時代やロマン派のようなオーソドックスな曲ではないのですが、さほど奇抜な曲ではありません。
初級でオーソドックスだと「ツマンネ」と思っちゃうからこれくらいでちょうどよいです。
『ブルクミュラー25の練習曲』と同じくらいのレベルと内容で、時代感だけが違うかな。
30曲入っていて、4曲まで先生が選んでレッスンし、最後に好きなのをやってこの本は卒業しましょうとなったのですが、好きなのが2曲あって選べなかったので両方みていただき、ようやく終わりました。
この先生とディスカッションしながら曲を作っていくのが楽しくてねえ。初級本なので一人でサクッと弾いて終わりでもいいんだけど、対話によってより深い世界が生まれるからもったいないんですよ。
先生はSFとか漫画とかに結構詳しいみたいで、説明抜きで通じる世界観が合うというのが大きい。西洋音楽をやっているのだから、キリスト教や神話や西洋史も最低限知らないと盛り上がらないし、好みや感じ方に相違点も多々ありますがそれがまた刺激的でおもしろい会話に発展する。文化的背景に共通項が多いのは大事だなと思います。

さて、子供曲での応用を卒業したのでいよいよブラームスをやっていくことになります。
結局、「好きなの選んでいいですよー」ってことで、晩年の4つの小曲集から私にも弾ける曲を番号順にやっていくことにしました。
『幻想曲集』(全7曲)
『3つの間奏曲』
『6つの小曲』
『4つの小曲』

全20曲中、速い曲を除いた10曲ほどを仕上げられたらいいな。
CDで聴きまくっているのですが、「ゆっくりの曲だから棒読みレベルなら難しくないし、細かくじっくり勉強できるだろう」と思っていざ弾いてみたら、とんでもなかった。
地味に込み入ったことをしている。
ピアノの達人だったブラームスは、若い頃は技術に走った派手な音楽を書いていたけれど、晩年になって俺ももうじき死ぬんだなーなどと考えながら、作曲技術の粋を集めて枝葉を取り払ったように書いた曲は、別の意味で技巧的なのだった…。
しかしスローテンポの曲だからがんばればできる!と言い聞かせて、ゆっくり地道に譜読みをしています。
平日はあまり練習できないから中学生の頃のように1週間でソナタ1楽章読んでしまうようなペースではできません。まあ大人のレッスンなので、途中までしかできていなくても大丈夫です。
地道に確実に!どれも好きな曲なので飽きずにできると思います。

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